はじめに
活動の途中で子どもの集中が切れてしまうことがあると思います。そのときに子どもは、先生の声かけひとつで「もう少しやってみよう」と思えることもあれば、逆にやる気を失ってしまうこともあります。
今回は、集中が切れたときの声かけについて書いてみます。
望ましい声かけ
・できた部分を認める
「ここまでできたね、いいね」「さっきの〇〇、上手だったね」等を伝えることで、子どもは達成感を味わうことができ、続きもやってみようかなという気持ちになりやすいです。少しずつで良いので成功体験で終えましょう。
・回数や時間を区切る
「あと1周」「あと3分だけやってみよう」のように、ゴールが明確になるような声かけをすると、あと少しだけやってみようかなと思えて、再び取り組みやすくなります。過度な負担を強いるのではなく、その子ができそうな量で設定してみてください。
・休憩を提案する
「ちょっと休憩してから続きをやろう」「いったん休んで、次の勝負から入ろうか」といった声かけで、一度休ませるのも手です。無理に続けさせても、子どもにとっておもしろくなければ、学ぶものはあまりないと思います。休憩をはさんで一度気持ちを切り替えたほうが、集中しやすくなります。
望ましくない声かけ
「なんでできないの」「最後までやらなきゃダメ」「〇〇さんはできているよ」といった、否定したりプレッシャーを与えたり他の子と比べたりするような声かけは、子どものやる気を奪います。
熱意のある先生ほど、頑張ってほしいという思いが行き過ぎて、つい、このような発言をしてしまうことがあるかもしれません。しかし、集中が切れてしまった子にとって、それらの言葉はあまりに酷です。せっかく築きかけている信頼関係も揺らいでしまうことでしょう。
まとめ
様々なことに興味を持ち、好奇心旺盛な子ども達にとって、集中が切れること自体は自然なことです。それは発達特性があってもなくても同じです。そして、集中が切れるということは、短時間かもしれませんがその前に集中できていた、ということでもあります。
今回は集中が切れたときについて書きましたが、集中が切れた瞬間だけに着目するのではなく、それまでできていたことにも目を向け、認めてあげてください。複数人を少ない人数で見ているとなかなか難しいかもしれませんが、できれば切れる前、集中できているときに声かけをすると、子ども達はより集中を維持できることでしょう。
先生のちょっとした声かけで、子ども達の次の行動、気持ちは変わります。今回書いたものが、何らかのお役に立てたら幸いです。
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