子どもが椅子に座れないときに試せる3つの工夫

はじめに

療育に携わるようになって慣れないうちは、「子どもが椅子に座れない」という状況でどうしてよいかわからなくなることがあると思います。活動を回さないといけないのに焦ると余計に乱れてしまうし、他の先生の視線も痛い……という苦い思いをした方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、子どもが椅子に座れないときに試せる工夫をご提案します。

工夫1:短い時間で区切る

子どもにとって長時間座り続けるのは簡単なことではありません。自閉スペクトラム症やADHDの特性がある子どもならなおさらです。

長時間座ることを求めるのではなく、まずは5分単位の活動+小休憩を取り入れると良いかと思います。現場のルール的に20~30分続けないといけないのであれば、途中で道具を入れ替える等の工夫で分割するという手もあります。

また、タイムタイマーやカードを使って活動の残り時間が見てわかるようにしておくと、見通しを持って安心して取り組めます。

工夫2:座る目的を明確にする

「座ってください」と伝えるだけでは、子どもにとって座る理由がわからず集中できませんし、おもしろくもありません。もちろん「座ります」と言い方を変えても同じです。

子どもには「この時間は何をするのか」を簡単に伝えてみてください。そして、「これが終わったらシールを1枚貼ろう」「座って絵本を見たらおやつだね」など、ご褒美も明確に伝わっていると、意欲に繋がりやすいです。

自閉スペクトラム症の特性が強い等の理由で、言葉による指示が刺激になるようであれば、座っている子どものイラストやこれからする活動の写真、その先のおやつの写真などのカードを組み合わせた視覚的な指示が望ましい場合もあります。これについてはTEACCHプログラムの「構造化」の視点が役立つかと思います。

工夫3:体を使った導入を取り入れる

座る前に体を動かすことで、落ち着いて座ったり集中して取り組めたりすることが期待できます。

体の動かし方の例として、その場で素早く足踏みをする、トランポリンで高くジャンプする、先生が抱えてクルクル回る、両手を上げて伸びをするなどがあります。

子どもによって様々な反応が見られますが、「体を動かす→座る」という流れを習慣にすると、子どもにとっては座りやすくなり、先生にとっても日々の活動がうまくいきやすくなるため、現場が良い雰囲気になると思われます。

まとめ

今回は、療育に携わり始めた初心者の先生でも簡単にできるような3つの工夫をご紹介しました。

細かく分析すればもっと工夫はできると思いますが、いったん今回の「短い時間で区切る」「座る目的を明確にする」「体を使った導入を取り入れる」から1つ試してみてはどうでしょうか。

まずは数秒でも座れていれば、そこを褒めたり楽しい経験に繋げたりしてください。少しずつ座れる時間、集中できる時間が延びていき、子ども達の今後の新しい成功体験に繋がっていくことを願います。

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